冬のダウンジャケット

      冬のダウンジャケット

 長く愛用してきた黒色のダウンジャケット。フワフワしていてとても温かかった。昨年の1119日のことである。フェンスから突き出ていた釘に、歩いていて引っかかった。ビリーという音と共にダウンジャケットの、二の腕の部分が引き裂かれてしまったのだ。破れた部分を縫い合わせて使おうかとも思ったが、それはあまりにも不細工に思われた。結局、燃えるゴミとして処分した。愛着のあるダウンジャケットとのお別れは辛かった。
 新しいのを求めて、西友ストアへ行った。以前と同じような黒色のL寸のダウンジャケットを捜した。黒色でM寸、LL寸はあるのだが、L寸の黒はなかった。紫ならL寸はあった。紫色にするかどうか。オレンジ色やグリーンもあったが、黒色の次の候補としては、紫色であった。専門店だと10,000円ほどするのが、3,990円で新しい紫色のダウンジャケットを手に入れることができた。
 それを着ていると皆から「よく似合っているよ」とよく言われる。そう言われるととても嬉しい。私の出身大学の色も紫。私は龍谷大学を卒業している。龍谷大学のキャンパス・イメージカラーが紫なのである。以前は龍谷大学のロゴマークも紫で描かれていたと記憶している。今は、赤とシルバーのロゴマークになっている。地味だが爽やかな色がパープルだ。紫は私の大好きな色でもある。
 この冬は、この温かい紫色のダウンジャケットで生活している。3,990円とは思われない、ハイカラなダウンジャケットだ。この服のおかげで、毎日、風邪もひかずに、元気に生活できることに私は感謝している。黒のダウンジャケットが破れた時は非常に残念だったが、こうして今、紫のダウンジャケットで寒をしのいでいるのだ。誰にとっても冬のダウンジャケットは生活の大切な必需品であろう。
2014年大寒の日に
亜紀海春樹(あきの はるき
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