エッセイ「昔の昭和の歌声」

 私は、昭和の歌謡曲、昭和の歌が大好きです。もちろん演歌や外国の歌も好きです。

 私の母は、美空ひばりさんが大好きで「柔」「みだれ髪」「ひばりの佐渡情話」…等々、カセットテープレコーダーでよく聴いていました。私もひばりさんの歌声が好きで、母と一緒に、その音楽を聴いて楽しんだものです。時には、母は涙を流して、ひばりさんの曲を、聴いていました。その母も約8年前に他界しました。音楽と料理作りと畑作業が大好きで、自家製の野菜を料理して、いつも美味しい食事を作ってくれました。私にとっては最高にすばらしい母親でした。皆からも愛される母でした。私は心から母親のことを尊敬しています。もちろん、私は、約10年前に他界した父親のことも尊敬しています。

 私の祖父(おじいちゃん)も、音楽が大好きで、コロンビアのレコードプレヤーで、村田英雄さんや三波春夫さんをよく聴いていたものです。特に村田英雄さんの「王将」が好きで、レコード盤がすり減るまで聴いていたものです。「吹けば飛ぶような将棋の駒にかけた生命<いのち>が……」私も小学生ながら、その歌を口ずさんでいました。祖父は、私が小学校5年生の時亡くなりましたが、私が音楽好きになった原点は、祖父の音楽好きの影響からだと思います。今、「王将」をカラオケで歌うと、昔のことが思い出され、涙することもあります。今は、やさしかった、おじいちゃん、おばあちゃんに「ありがとう」と天国に向かって感謝の心を贈っています。特に、おばあちゃんには、小さい頃、体の弱かった私を大切に、見守ってくれたことが思い出されます。私の祖母は、私が小学校2年の時に亡くなりました。おばあちゃんが亡くなった時には、大声で泣き続けていたことを思い出します。今私は、祖父、祖母に、深い、深い恩を感じています。

 人生と音楽は切り離せないものだと思います。昔の昭和の歌は、歌に人生の喜び、哀しみ…いろんな思いが込められていて、感動できる歌が多いです。私は、その当時、はやったビートルズもステキで、ラジオから流れるビートルズに、また、日本の演歌に、感動したものです。音楽って人生そのものだと思います。昭和の歌声に心から感謝申し上げます。


 追伸、今夜は、秋の虫たちが、夜長のうたを歌っています。私のアパートの前には、小さな庭があり、そこに虫たちが生命を宿しているのです。

2015年秋に…  亜紀海 春樹<あきの はるき>


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